太陽光と電気代の実測データ

太陽光あり戸建てのEV・V2H導入前データ公開|1年間の売電額・電気代を基準値として記録

EVとV2H導入前の電気代明細と太陽光発電量データを確認している机

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こんにちは、自宅エネルギー実践ラボ運営者の「トシ」です。

太陽光発電をすでに設置している戸建て住宅で、電気自動車やV2Hシステムを導入すると、毎月の電気代や売電額が実際にどう変化するのか、リアルな実例を知りたいですよね。電気料金の高騰が続く現在、我が家で作った電力をいかに賢く使うかは、家計の防衛に直結する切実な問題です。

本記事では、EVの納車やV2Hの工事を控えた筆者宅の、導入前1年間におけるリアルな売電額と電気代のデータを余すことなく公開します。このデータを正確な基準値として残しておくことで、導入後にどれほどの経済効果や節約効果が生まれたかを正しく検証できるようになります。

ポイント

  1. EVやV2Hの正確な導入効果を測定するためには、導入前の1年間にわたる売電額や電気代などの基準データを詳細に記録しておくことが不可欠です。
  2. 筆者宅の実例では、年間の売電額が105,690円であるのに対し、年間の電気代は109,896円であり、年間の収支はほぼ同水準であることが分かりました。
  3. 春から夏にかけては売電量が非常に多くて売電額が高くなり、冬は暖房の使用によって電気代が急増するという極端な季節差が存在します。
  4. システム導入の失敗を防ぐためには、事前に自宅の過去の検針票を整理し、日中にどれだけの余剰電力が生まれているかを正確に把握しておく必要があります。

太陽光あり戸建てのEV・V2H導入前データを公開する理由

太陽光発電と電気代の導入前データを整理する机

太陽光発電を設置している戸建て住宅において、環境への配慮や家計の節約を目的として、電気自動車やV2Hの導入を計画する家庭が急速に増えています。しかし、高額な費用をかけて機器を導入した後に、実際にどれほどの金銭的なメリットが得られたのかを、数値データをもとに客観的に評価できているケースは多くありません。本当の効果を正しく見極めるためには、導入前の暮らしの中で記録された、正確で詳細なベースラインとなるデータが必要です。

ここでは、筆者宅がEVやV2Hの導入を控えたこのタイミングで、あえて1年分の詳細な収支データを整理し、広く公開する理由について分かりやすく解説します。

  • この記事では導入後と比較するための基準値を残す
  • 我が家の太陽光発電はPanasonic製4.4kW
  • EV購入済み・V2H購入済みだが、まだ納車前・工事前
  • 共働き家庭のため、日中の消費が少なく売電量が多い

この記事では導入後と比較するための基準値を残す

電気自動車やV2Hを導入したことで電気代が大幅に安くなったという好意的な意見は、インターネットやSNS上で数多く見つけることができます。しかし、ご自身の家庭にその効果がそのまま当てはまるかどうかを判断するためには、導入前にどれだけの電力を消費し、どれだけの電力を売っていたかを正確に把握していなければなりません。そこで筆者は、2025年7月から2026年6月までの丸1年間におよぶ詳細なエネルギーデータをすべて記録しました。

1年という長い期間を対象にして記録をまとめる理由は、家庭内の電力消費量や太陽光パネルによる発電量は、季節による天候や気温のアップダウンによって非常に激しく変動するためです。例えば、厳しい暑さに見舞われる夏や凍えそうに寒い冬と、気候が穏やかで過ごしやすい春や秋とでは、エアコンの使用状況も太陽光パネルの働き具合も全く異なります。導入前の正確な数値を基準値として残しておくことで、導入後に同じ季節のデータと比較し、本当の削減効果を明らかにできます。

今回整理した実測データを大切な基準として活用し、電気自動車の納車やV2Hの設置工事がすべて完了した後に、実際の暮らしの数値がどのように動いたかを1対1で答え合わせしていく予定です。なお、導入後の詳細な変化やメリットを検証した実測データについては、今後の生活の進捗に合わせて順次追記していく予定です。これから同様のシステム導入を前向きに考えている皆様も、まずは手元に保管されている過去1年分の電気料金明細書と売電明細書を整理し、エクセルなどに記録しておくことを強く推奨します。

これにより、すでに屋根の上で働いている太陽光パネルの実力と、EVやV2Hがもたらすであろう改善余地が驚くほど鮮明に浮かび上がってきます。

我が家の太陽光発電はPanasonic製4.4kW

筆者宅は、日照条件が比較的良好とされる千葉県内に建てられた戸建て住宅であり、屋根の上にはPanasonic製の4.4kW太陽光発電システムを設置して運用しています。この4.4kWという発電容量は、日本の一般的な戸建て住宅における設置規模としても、よく見られる容量の範囲にあたります。

新築時に設置してから現在に至るまで、心臓部ともいえるパワーコンディショナーの故障や不具合などのトラブルは一切起きておらず、連日非常に安定してクリーンな電力を生み出し続けています。日々の発電パフォーマンスについても、メーカーが購入前に提示してくれた発電シミュレーション値とおおむね同等の実績を維持しており、太陽光パネルの発電能力そのものに対する不満は全くありません。

安定した稼働を続けるPanasonic製の太陽光パネルは、我が家のエネルギー自給の主役として十分に機能しています。ただし、太陽光パネルの細かい製品仕様や、施工会社による独自の保証規定、メーカーによる無償保証の適用範囲などは、導入した型番や購入した時期によって大きく異なる点に注意が必要です。また、各メーカーの保証規定や最新のシステム構成プランなどは、時代とともに変化する可能性があります。実際の導入や検討を進める際には、必ず最新のメーカー公式情報やカタログなどの案内を直接確認するようにしてください。

千葉県は年間を通じて日照時間が十分に確保できる地域であるため、太陽光パネルの能力を発揮しやすい環境に恵まれています。これまでのように作った電気をただ電力会社に売るだけでなく、今後は手に入れた電気自動車やV2Hを活用し、自宅で作った電気をできるだけ自宅で使う生活へとステップアップさせていきます。

EV購入済み・V2H購入予定だが、まだ納車前・工事前

EV納車前とV2H工事前の駐車スペースと外壁

我が家ではすでに、将来の移動手段となる電気自動車の契約、自宅と車の間で電力を双方向にやり取りするためのV2H機器の補助金申請後の契約を完了しています。しかし、執筆時点においてはまだ新しい車の納車を待っている最もワクワクする段階であり、V2H機器の自宅への設置工事もこれからの予定となっています。したがって、本記事で公開しているすべての数値は、余計な機器が一切介在していない、これまでのごく普通の生活スタイルのみで計測された純粋な記録です。

エネルギー効率を高める手段としては家庭用の据え置き型蓄電池も検討しましたが、蓄電できる容量の圧倒的な大きさや、移動手段としての多目的性を考慮した結果、最終的に電気自動車とV2Hの組み合わせを導入するという決断に至りました。現在はまさに導入前の移行期であり、納車や工事が完了した後にどのような変化が起きるのかを検証するための最適なタイミングと言えます。まだ実際の車もV2H機器も自宅で稼働していない状態ですので、本記事の中でこれからの具体的な電気代削減効果を100パーセント断定して語ることはいたしません。

V2Hを安全かつ確実に稼働させるための分電盤の改修や、駐車スペースから充電コネクタまでの最適な配線ルートの設計など、工事の前に確認しておくべき重要なチェック項目は非常に多く、現在はその準備に追われています。実際の工事がどのような流れで行われ、どれほどの時間や費用がかかったか、そして初めて車に充電した時の様子などは、後日別の記事として詳細にレポートする予定です。

購入決定から実際の納車や工事までにこのような時間差があるからこそ、一切のブレがない正確な導入前データを記録として残すことができ、今後の検証において非常に価値のある比較材料が揃いました。

共働き家庭のため、日中の消費が少なく売電量が多い

日中の太陽光余剰電力と駐車中の電動SUV

筆者宅の家族構成は、共働きの夫婦と、まだ手のかかる小学生および保育園児の子ども2人の合計4人家族です。平日の日中における我が家の生活パターンは、大人も子どもも全員が外出しているため、家の中はほぼ完全に無人となり、電気の使用量が極めて少ない時間帯が続きます。太陽光パネルが最もパワフルに発電を行う午前10時から午後2時頃までのピーク時間帯に、家庭内での電力消費がほとんど発生しないため、屋根の上で生まれたクリーンな電気の多くがそのまま電力会社へと流れていきます。

筆者宅の過去1年間の正確な集計データを詳しく見てみると、年間の総売電量が4,065kWhに達しているのに対し、電力会社から購入した年間の電気使用量は3,183kWhにとどまっていました。この実測値から計算すると、年間の総売電量は電力会社から購入した電気使用量のおよそ1.28倍という大きな数値になっており、発電した電力を自宅で十分に有効活用できていないアンバランスな現状がはっきりと分かります。

日中に発電したクリーンな電気の多くを売電し、夜間に電気を購入している現状は、もったいない状態です。共働き世帯ならではの平日日中が無人になるライフスタイルこそが、結果として売電量を押し上げ、自宅での自家消費率を低く抑えてしまう最大の原因となっています。もしも、この日中のピーク時に屋根の上で余り続けている大量の電力を、自宅に駐車している時間帯のEVバッテリーに蓄えることができれば、夜間に電気を購入する割合を大きく引き下げられる可能性があります。さらに、子どもたちが大きくなるにつれて、将来的には勉強部屋の照明やエアコンの使用などにより、家庭内の電気使用量がますます増えていくことが予想されます。

だからこそ、今からエネルギーの自家消費率を向上させ、電気の自給率を高めることは、我が家にとってこれからの家計をしっかりと守り抜くための防衛策となります。

1年間の売電額・電気代から見るEV・V2H導入前の我が家の状態

一年分の売電額と電気代を確認する室内の机

電気自動車やV2Hシステムが我が家にもたらす本当の変化を正しく見届けるために、ここからは筆者宅の1年間のエネルギー収支を、具体的な数字ベースでクリアに整理していきます。2025年7月から2026年6月までの12か月間における、毎月の売電額、売電量、そして実際に支払った電気代と電気使用量の具体的な実測値を一挙に公開します。この一次データをつぶさに分析し、我が家が現在直面しているエネルギー消費の偏りや、季節ごとの家計への影響を明らかにしていきます。

  • 2025年7月〜2026年6月の売電額・売電量・電気代・電気使用量
  • 年間売電額105,690円、年間電気代109,896円という基準値
  • 夏は売電額が高く、冬は電気代が高い傾向が出ている
  • 10年後の売電代と削減電気代で投資回収をどう見ているか
  • 導入後に売電量・電気代・自家消費を実測で確認する
  • まとめ:EV・V2H導入前に残すべき数字は何か

2025年7月〜2026年6月の売電額・売電量・電気代・電気使用量

筆者宅における実際の光熱費および売電明細書から正確に書き写した、導入前の1年間における月別データを以下の表にまとめました。なお、我が家の電力会社との電力供給契約は、現在も東京電力の従量電灯Bプランを継続して適用しています。従量電灯Bプランは、電気を使用すればするほど、使用電力量の段階に応じて1kWhあたりの電力単価が上がっていく料金プランです。

この表に記載されている毎月の電気代には、基本料金はもちろんのこと、月々の社会情勢や為替レートによって変動する燃料費調整額や、国が定める再生可能エネルギー発電促進賦課金が合算された最終的な請求金額を記載しています。

年月 売電額 売電量 電気代 電気使用量
2025年7月 12,064円 464kWh 8,437円 229kWh
2025年8月 12,948円 498kWh 7,538円 219kWh
2025年9月 10,712円 412kWh 9,636円 291kWh
2025年10月 7,228円 278kWh 5,867円 166kWh
2025年11月 5,096円 196kWh 9,243円 259kWh
2025年12月 5,564円 214kWh 12,298円 347kWh
2026年1月 5,330円 205kWh 14,790円 415kWh
2026年2月 5,720円 220kWh 14,535円 465kWh
2026年3月 7,800円 300kWh 9,900円 320kWh
2026年4月 9,334円 359kWh 6,679円 188kWh
2026年5月 12,766円 491kWh 5,515円 143kWh
2026年6月 11,128円 428kWh 5,458円 141kWh

我が家の電気料金契約プランは東京電力の従量電灯Bプランであり、基本料金や燃料費調整額が含まれた金額で算出されています。なお、各電力会社が提示する電気料金プランの内容、毎月の電気料金単価、各調整金や賦課金の設定額は、エネルギー情勢によって随時変更される可能性があります。これからプランの見直しなどを検討される場合は、必ず電力会社の公式ホームページで最新の情報をご確認いただくようお願いいたします。

この月別データを大まかに眺めるだけでも、我が家が毎月それなりの電力量を電力会社へと売電している一方で、結果的に支払っている電気代の合計額も無視できない高水準に達していることがお分かりいただけると思います。日中に誰もいなくなる我が家では、発電した余剰電力をせっせと売電に回している一方で、夕方の帰宅時から深夜、翌朝にかけて消費する電力の多くを購入しているため、結果として日々の電気代が毎月膨らんでしまっているのです。

この表に記録された月ごとの細かな値こそが、今後の暮らしで新しい車とV2Hシステムが始動した際に、どのような変化をもたらすかを見届けるための最も重要なベースデータとなります。

年間売電額105,690円、年間電気代109,896円という基準値

先ほど掲載した1年間の詳細な月別データを1つに集計し、全体の年間合計値および各月の月平均値を算出しました。我が家のEVおよびV2H導入前における、1年間のトータルなエネルギー収支の実態は以下の表のようになります。

測定項目 年間合計の実測値 月平均の算出値
売電額 105,690円 およそ8,808円
売電量 4,065kWh およそ339kWh
支払った電気代 109,896円 およそ9,158円
電力会社から購入した電力量 3,183kWh およそ265kWh

整理した年間の集計結果を見ると、我が家の年間の売電総額は105,690円であり、一方で支払った電気代の年間総額は109,896円となっています。両者の年間での差額を計算すると、支払った電気代の方がわずか4,206円多いだけであり、数字の表面上はまるで売電によるメリットと購入した電気料金が綺麗に相殺されてトントンになっているように錯覚してしまいます。

ところが、実際に行われた電力量のやり取りに注目すると、年間売電量は4,065kWhであるのに対し、電力会社から購入した年間の電気使用量は3,183kWhにとどまっています。実に、電力会社から購入した電気使用量のおよそ1.28倍という多大なエネルギーを電力会社へと売却しているのです。これほど大量の電気を売っているにもかかわらず、手元に残る金銭的な収支としては赤字傾向になっているこの歪んだ状況の一因は、電気を売る時の売電単価と、電気を買う時の買電単価に存在する価格差にあります。

今回のデータから逆算した筆者宅の1kWhあたりの太陽光売電単価は26円です。これに対し、年間電気代を年間電気使用量で単純に割り算した単純平均の買電単価は、1kWhあたりおよそ34.5円になります。ただし、この単純平均には基本料金や燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金などが含まれるため、厳密な電力量単価そのものではありません。売電単価と電気代の単純平均を比べると、買う電気の方が高く見えるため、どれだけ多く売電しても、購入する電気代によってトータルの支出が膨らむ可能性があります。

これは売電と買電がお金の上で単純に打ち消し合えるものではないことを表す、何よりの証拠です。この価格差があるからこそ、電気を売るだけでなく、できる限り自分の家で作った電気を自分の家でそのまま使う自家消費シフトに経済的価値が出やすくなります。EVやV2Hシステムはこの単価差を埋めるための選択肢であり、今後はどれだけ多くの売電量を自家消費にスライドできるかが家計改善への鍵となります。

夏は売電額が高く、冬は電気代が高い傾向が出ている

夏の発電と冬の電気代増加を感じる戸建て住宅

1年間における各月の推移を注意深く見つめ直すと、我が家の電力使用と売電状況には、日本の四季を色濃く反映した極端な季節差があることがはっきりと理解できます。この移り変わりを分かりやすく整理するために、売電と電気代が最も極端な値を示したタイミングをランキングの形にまとめました。

 売電額と売電量の季節ランキング

評価項目 該当する年月 実際の数値
売電額が最も高い月 2025年8月 12,948円
売電量が最も多い月 2025年8月 498kWh
売電額が2番目に高い月 2026年5月 12,766円
売電量が2番目に多い月 2026年5月 491kWh
売電額が最も低い月 2025年11月 5,096円

出典は筆者宅の記録によります。

 電気代と電気使用量の季節ランキング

評価項目 該当する年月 実際の数値
電気代が最も高い月 2026年1月 14,790円
電気使用量が最も多い月 2026年2月 465kWh
電気代が最も低い月 2026年6月 5,458円
電気使用量が最も少ない月 2026年6月 141kWh

以上の実測ランキングから読み取れるように、春から初夏にかけての5月、そして夏本番にあたる8月などは非常に高い売電量のおかげで、12,000円を超えるたくさんの売電額を獲得できています。日差しの強い5月や8月は、明細上の電気使用量を上回るほどの電力を売電できています。

しかしながらその反面、秋から冬にかけてのシーズンは様相が一変します。最も売電額が落ち込んだ11月はわずか5,096円にとどまり、日照時間の低下とともに売電量そのものが減っていることが数字に現れています。さらに、暖房器具の使用が本格化する1月から2月にかけては電気の使用量が跳ね上がり、1月における1か月の電気請求額は14,790円という、年間の最高支払額を記録してしまいました。これは日中の短時間しか太陽光の恩恵を受けられないまま、朝方や深夜にエアコンなどの暖房器具が多くの電力を消費しているためです。

春や夏に余っている太陽光の電気をEVへの充電にまわし、冬の電気代高騰期にV2Hを介して自宅へ供給できれば、年間を通じた電気代の平準化が期待できます。このように、季節ごとの極端なアップダウンを充放電システムでどう平準化できるかが、今後の検証作業における非常に大きな見どころとなるでしょう。

10年後の売電代と削減電気代で投資回収をどう見ているか

新しい機器の導入を本格的に考えるうえで、誰もが最も気にされるポイントは、かけたコストを将来的にきちんと回収できるのかという投資回収のシミュレーションではないでしょうか。筆者宅でも、これから先の暮らしで年間の売電量や全体の電気使用パターンが大きく変化しないと想定し、10年間の長期的な目線で冷静な収支試算を組み立てています。

具体的な数字のベースは以下の通りです。まず、太陽光発電によって得られている売電収入を、月額ベースでおよそ8,843円と試算しました。なお、先ほど表で確認した、実際の過去1年間におけるリアルな実績データから算出した売電額の月平均はおよそ8,808円となっています。これは35円という極めて軽微な差ではありますが、実測データの正確性を保ちながら、読者の皆様に不信感を与えないよう、実際の月平均である約8,808円と、筆者宅でシミュレーションに採用している試算基準値の月額8,843円は別の値として区別して解説を進めます。

この売電収入の目安に加えて、電気自動車とV2Hの組み合わせを使うことで、従来電力会社から購入していた電力などを削減できる経済価値を、月平均でおよそ4,000円と見積もりました。この月平均試算値の売電代8,843円と、車からの給電によって削減できる月々の電気代4,000円を合算すると、毎月およそ12,843円相当の家計改善効果が継続して見込まれることになります。これを10年間、つまり合計120か月間にわたって累積させていくと、その累計金額は1,541,160円となり、実質的におよそ154万円の投資費用を回収できる試算結果が導き出されました。

この約154万円という金額は、我が家がEVやV2Hの設備導入にかけた初期投資額をちょうど回収できるラインに達しています。ただし、この10年スパンでの長期シミュレーションはあくまで現時点での予測にすぎず、将来にわたって確実に利益が出る、あるいは100パーセント元が取れると断言するものではありません。将来的な売電単価がどのように見直されるか、また電力会社による深夜電力の割引プランや各種電気料金自体の価格改定、国や地方自治体が用意してくれる補助金制度の内容や申請条件などはその時々で変動します。さらに、子どもたちの成長に伴って家族が車で外出する機会が増えたり、走行距離が変わったりすれば、自ずと充放電のサイクルや電気の収支も変化します。

機器本体の経年劣化や予期せぬ故障による追加の修理コストなど、想定外の出費が発生する可能性も忘れてはなりません。したがって、この約154万円というシミュレーションは、運用における一つの明確な目標設定とし、実際の工事終了後に同じ計算式を用いてリアルタイムで検証を続けていきます。

導入後に売電量・電気代・自家消費を実測で確認する

V2Hと電動SUVの接続を確認する導入後検証

筆者宅の電気自動車とV2Hが本格的に稼働を始めた日には、導入前に揃えたこれらの実測ベースデータを携えて、どのような変化が生まれたかを非常にシビアな目線で検証していきます。実際に導入がスタートした後に、どのようなポイントを中心にデータを見比べて効果を測るべきかを、検証用のチェックリストにまとめました。

 EV・V2H導入後の比較検証チェックリスト

  • 年間の売電額と売電量の増減確認:これまでの年間売電額105,690円、売電量4,065kWhからどの程度下がるか
  • 家庭全体の支払う電気代の削減効果:これまでの年間電気代109,896円からどれほど負担が軽減するか
  • 買電量の低下と自家消費率の改善率:電力会社に頼っていた電気の量を減らし、自給率がどれだけ高まったか
  • 太陽光による余剰電力のEV充電効率:日中のゴールデンタイムに余った電気をどれだけ取りこぼさずに蓄えられたか
  • 冬の電気代高騰に対する抑制効果:暖房費で膨らみがちな冬の光熱費を、車からの給電でどこまで抑え込めるか
  • 万が一の停電や災害時における安心感:停電が起きた際に、車の大容量バッテリーから家全体に給電できる防災の強みをどれほど頼もしく感じられるか
  • 実生活で感じた不満点や想定外の後悔:実際に機器を使って暮らしてみて判明した不便な点や、事前の計画通りに進まなかった要素があるか

現時点ではまだ導入前の移行期間であるため、これらのすべての検証項目に対して断定的な評価を下す段階ではありません。しかしながら、検証すべき基準がこうして明確に言語化されているため、今後の実測値の計測作業が非常にクリアで楽しいものになります。

実際にこのような大掛かりなシステムの導入を前向きに考えている皆様へ、大切なアドバイスがあります。お住まいの住宅の駐車スペースの状況、太陽光パネルから分電盤までの距離、ご自宅の契約ブレーカーのアンペア数などによって、必要となる工事費用の総額や最適な製品の組み合わせは、ご家庭ごとに数十万円単位で変動します。

検証項目に沿って、毎月の明細が届くたびにデータを入力し、導入前と導入後のリアルな推移をブログで定期的にお届けします。高額な設備投資だからこそ、いきなり1社のみに決めてしまうのではなく、事前に信頼できる複数の会社から詳細な見積もりを取り、条件や保証を徹底的に比較することが後悔を防ぐ最も確実な防衛策です。まずは、ご自身の自宅の条件でどのようなV2Hや蓄電池が最も合理的に収まるか、実際に複数の見積もりを手に入れて比較検討をしてみることをお勧めします。専門のプロフェッショナルによる現地調査を交えた具体的な見積もりを見ることで、ご自宅における太陽光の活用価値がよりリアルなものへと近づいていきます。

なお、関連記事として後日追加予定ですが、V2Hと家庭用蓄電池はどっちがいい?太陽光あり戸建ての購入者目線で比較、というテーマの記事についても現在執筆の準備を進めております。

まとめ:EV・V2H導入前に残すべき数字は何か

太陽光発電システムを設置してある戸建て住宅において、電気自動車やV2Hの導入を前向きに検討しているご家庭に向け、本格的なスタートを切る前に記録しておくべき大切な数字について、我が家のリアルな実例データを交えながら詳しく整理してきました。新しいシステムがどれだけの光熱費削減に貢献してくれたかを正確に見極めるためには、季節変動を含んだ1年分のベースラインデータを確保しておくことが本当に重要になります。ここで、我が家が導入前の基準値として明確に確定させた、これまでの1年間におよぶ大切な数字を最後におさらいします。

 筆者宅のEV・V2H導入前基準値データまとめ

  • 年間の売電総額:105,690円であり、その月平均はおよそ8,808円
  • 年間の売電総量:4,065kWhであり、その月平均はおよそ339kWh
  • 支払った電気代年間総額:109,896円であり、その月平均はおよそ9,158円
  • 電力会社から購入した電気年間総量:3,183kWhであり、その月平均はおよそ265kWh

これらのリアルな数値をしっかりと手元に残しておくことで、実際にEVが届き、V2Hの稼働が始まったその日から、どれほどの変化があったかを一歩一歩納得しながら数字で確かめていくことができます。これから導入へのステップを進めようとしている皆様も、まずはご自宅に大切に保管されている過去1年分の検針票を集め、ご自宅の屋根の上からどれだけの余剰電力が生まれて日中に売られているかを、丁寧に把握することから取り組んでみてください。

ご自身の電気料金プランや日頃の消費傾向を正確に確認するだけでも、どこに無駄が隠れていて、どこを改善できるかの優れたヒントが見えてきます。さらに具体的で失敗のない道を進むために、蓄電池とV2Hの費用を比べてみるなど、早めの段階で信頼できる会社から複数の見積もりを入手し、具体的な設備コストを含めたリアルな検討を開始してみることも大変有効なアプローチとなります。

今後、筆者宅では以下のような実測や工事に関するテーマのコンテンツを順次執筆し、公開していく予定です。

関連記事として後日追加予定のリストになります。

  • V2H工事前に確認したこと|分電盤・駐車場・配線・追加費用の注意点
  • EV納車前に準備した自宅充電環境|V2H導入前のチェックリスト
  • V2H設置工事の当日レポート|実際の作業時間と気になった点
  • EV・V2H導入後1か月の電気代実測|売電量と買電量はどう変わったか
  • 太陽光あり家庭の売電と自家消費|EV充電でどこまで変わるか
  • V2H導入で後悔しないために確認したいこと
  • 太陽光発電の売電収入はどれくらい?我が家の1年分データ公開

これら後日追加予定の体験記を順番に重ねていくことで、太陽光発電システムをフル活用したエコで賢い暮らしのロードマップを、よりリアルにわかりやすくお届けできると考えています。自宅に届く電気代明細をただ眺めるだけでなく、データをもとに自分のエネルギーをコントロールする新しい楽しみを、ぜひ一緒に始めてみましょう。

以上、自宅エネルギー実践ラボの「トシ」でした。

 

-太陽光と電気代の実測データ